成長力低下への懸念
 中国の経済成長は初期段階では、規制撤廃による経済の活性化によるものでした。
しかし、現在ではWTO加盟や民営企業の育成により、大半の部分で対外開放や自由化が進んでいます。
ですから、経済成長に与える規制緩和の影響はかつてほどではなくなっています。



 中国経済の成長を妨げる要素があります。
@輸出の限界
 中国は労働力が豊富で人件費が安いため、外資系企業が進出し、輸出向け製品の生産が盛んに行われています。
WTO加盟の効果もあり、外資系企業の進出は活発です。
輸出全体の半分を外資系企業が行っているほどです。

 しかし、今後も輸出の増加が続くとは限りません。
第一に、輸出を拡大しつづけると貿易摩擦が生じます。
日本の自動車産業は輸出高が大きくなりすぎたため、現地生産に切り替えています。
ですから、いずれは中国でも輸出から現地生産に移行することになるでしょう。
輸出が今後も増加し続けるとは限りません。

 第二に、輸出と同様に輸入が増加している点です。
中国の貿易形態は、部品や設備を輸入して、製品を輸出する加工貿易の傾向が大きくなっています。
輸出しているものを自国で生産しないと、輸出が増えても輸入も同時に増えることになります。
また、関税率の引き下げや生活水準の高まりにより、輸入高が増えることが予想されています。

 輸出に頼った経済成長は限界があるということです。
長期間に渡り輸出主導の経済成長を続けるのは難しいでしょう。



A財政状況の悪化
 財政支出をすると、一般的に経済は拡大します。
例えば、高度成長期の日本では盛んに公共事業が行われ経済成長に貢献しました。
 
 しかし、国債を大量に発行し公共事業を積極的に行った結果、中国の財政赤字は過去最悪の水準になりました。
 今後も地方への交付金や社会保障費の増大が予想されるため、財政状況は厳しくなりそうです。
その結果、インフラへの投資が抑えられ、経済成長の低下が懸念されます。
 また、財政赤字は最終的には国民からの税金で穴埋めされるため、将来に増税する必要があります。
その結果、民間の投資や消費を抑えてしまいます。



B消費拡大の限界
 都市部の住民には一通りの耐久消費財が揃っており、市場は飽和状態です。
都市部での家電製品の普及率は以下のようになっています。
カラーテレビ 120%
洗濯機    90%
冷蔵庫    80%
 都市では消費の伸びは期待することは困難です。
 
 一方で、国民の大部分を占める農村部の人々は貧しく、消費を拡大することは困難です。



 以上のように、中国の高成長が維持することはなかなか難しいようです。


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