ですから、正確な会社情報に基づいて投資決定しなければなりません。 中国というと製造業というイメージがあります。 たしかに、冷蔵庫やオートバイなど工業製品の多くが中国で生産されています。 しかし、中国の製造業企業の業績はあまり良好とはいえません。 かつては好業績を誇った優良企業の利益も低下傾向にあります。 価格競争が激しくなってきたからです。 中国以外でもこれらの製品は、技術移転をすれば生産可能です。 中国国内だけでなく、地球規模での競争が業績悪化につながっています。 中国の製造業は消費者独占力がなく、価格が競争の対象となり収益性が低いコモディティ型です。 中国の製造業企業のなかから、将来のソニー・ホンダがでてくる可能性はあります。 しかし、現状ではどこの企業に将来性があるのかわかりません。 今のところ、中国の製造業は投資対象として魅力がないと思います。 では、中国株のどこに投資したらいいのでしょうか。 私は、手堅く投資したいと思います。 中国が経済発展をするにつれ、需要が必ず増加し、競争相手の少ない分野です。 @電力株 電力は経済発展するにつれ、必ず需要が増えます。 また、電力が必要なくなるということも考えられません。 ただし、中国では電力会社が日本のような地域独占型になっていない点には注意が必要です。 競争が促される仕組みになっていますが、半独占という状態です。 また、やや負債率が高いのが気になります。 電力は政府による価格規制を受けているので、大きく利益を上げることも難しいでしょう。 株価が何千倍にもなるということはないと思いますが、中国株の中では長期的に見た場合、安定したリターンが期待できそうです。 中国の電力事情(複雑なので説明しておきます) 中国はこの20年で電力需要がおよそ5倍になりました。 今後の電力需要も年5%程度増加していく見込みです。 中国の発電設備は火力発電が75%で大きな割合を占めており、火力発電の多くが 石炭により行われているため、環境問題が深刻になっています。 今後環境規制が強化されると、電力会社にとって施設改良費用が負担になる可能性があります。 中国の発電所のシステムは複雑になっています。 中国国家電力総公司(SPC)という基幹企業があり、その下に5つの地方電力網があります。 その他にもSPCは12の電力関連事業グループを傘下にしており、これらの企業で50%以上のシェアを占めています。 SPC傘下の5つの地方電力網とその他5つの地方電力網は10大電力網と呼ばれ、90%以上のシェアを占めています。 上場されている電力企業はほとんど中国国家電力総公司の系列となっています。 今後、電力会社の再編が行われ、送電会社と発電会社に分割される予定です。 主な電力会社 <北京大唐発電> 北中国最大の独立採算電力会社で、主な業務は発電所の投資・建設と運営です。 6つの発電所を所有し、北京・華北・天津地域における電力シェアはおよそ25%となっています。 これらの地域は全国平均の成長率を大きく上回り、GDP成長率はおよそ10%となっています。 2006年までに現在の2倍にまで規模を拡大する予定になっています。 <華能国際電力> 中国最大の独立採算電力会社です。 上海、広東など経済成長顕著な中国沿岸部に位置する7つの発電所を所有しています。 アジア最大級の電力会社であり、今後の電力会社再編のなかで恩恵を大きく受ける見込みになっています。 A高速道路株 自動車は過去の歴史を振り返ると、ある所得水準をを越えると急激に需要が増加しています。 現在は中国の自動車普及率は大都市でも数パーセントしかありません。 今後、中国が経済発展をすれば自動車の普及率が加速度的に増えていくと予想されています。 自動車が増加すれば、当然高速道路も利用されるようになります。 高速道路会社は新規高速道路の開発運営に対し、自分たちがやるかやらないか最初に決定する権利があります。 通行料金も3年ごとに中国の小売物価指数を基準に設定されますので、抗インフレ性が期待できます。 ただし、高速道路会社にもいろいろあります。 沿海部や都市部で高速道路を開発運営する会社は収益性が高いですが、 内陸部の高速道路は投資の割に収益性が低いようです。 高速道路がどこに立地しているか良く調べてから投資した方がいいでしょう。 代表的な高速道路会社 <江蘇高速道路> 高速道路の開発運営を主要業務としています。 上海〜南京間の高速道路の江蘇省部分が主な収益源です。 上海〜南京高速道路は両都市を結ぶ唯一の高速道路です。 成長性の高い両都市を競合相手なしで結んでいます。 その他にも5つの高速道路と1つの有料橋を運営しています。 <深セン高速道路> 中国で最も成長が早い深センでの高速道路の運営を主な業務にし、7つの有料道路を運営しています。 B空港運営会社 航空業界は世界的な競争状態にあり、合併や提携が激しく行われています。 世界的に見て、航空会社は厳しい経営状態にあります。 中国にもいくつか航空会社がありますが、あまり経営状態は良くありません。 しかし、空港運営会社はほとんど独占状態といってもいいでしょう。 空港が使えなかったら、航空機は飛べません。 航空輸送需要が増えれば増えるほど、収益が上がる構造になっています。 長期的に見た場合、今後の中国には航空機という輸送機関が必要不可欠です。 海外との輸送手段としてはもちろんですが、国内需要に期待が持てます。 今は所得水準が低いため、航空機はあまり利用されていないかもしれませんが、潜在的な需要は大きいです。 中国と同様に国土が広いアメリカでは航空機が長距離輸送の主流であり、鉄道はほとんど利用されていません。 また、日本では鉄道で所要時間が3時間以上になると、航空機が優位になることは実証済みです。 中国も所得水準が上がるにつれ、海外はもちろんですが国内の航空輸送需要が増える可能性が大きいでしょう。 中国でも高速鉄道計画がいくつかありますが、中国の国土の広さからいえば航空機が輸送手段として活躍する場面が多くなりそうです。 代表的な空港運営会社 <北京首都国際機場> 北京国際空港の運営が主な業務です。 北京国際空港は中国全空港の旅客シェアがおよそ16%で、中国最大の空港です。 他空港との提携や資本参加、空港への投資を行い国際ハブ空港を目指しています。 収益源は、旅客や飛行機の空港利用料などで、旅客の増減が空港の収入に影響を与えます。 C食料関係会社 食品には、安定した需要があります。 例えば、コカコーラやハンバーガーは何十年も売りつづけられています。 最初に競争優位を築いてしまえば、他社にシェアを奪われにくいのが特徴です。 食料がなければ、人間は生きていけません。 景気にかかわらず、人間が存在する限り必要なものです。 また、いったん身についた食生活はなかなか変わりません。 食習慣がいったん変化すると、元に戻ることは考えにくいです。 例えば、日本人がみそ汁と漬物、玄米だけの食生活に戻ることはありえません。 食生活の欧米化、食品の高級志向は発展途上国では良くみられる現象です。 中国人の食生活もゆっくりと変化し、欧米化、高級化しつつあります。 このような状況の中で、新しいマーケットチャンスが生まれています。 ですから、食品会社への投資は比較的手堅い投資だといえるでしょう。 代表的な食品会社 <中国糧油国際> 中国の代表的食品グループであるCOFCO(中国食品輸出入公社)の上場企業。 食料品取引、製粉、食用油製造を主な業務としています。 また、コカコーラとの合弁事業も予定されています。 ところで、世界第二位の大富豪で著名投資家のウォーレン・バフェット氏も中国株投資を始めました。 中国最大の石油会社、中国石油(ペトロチャイナ)株式を取得し、第3位の株主になったそうです。 慎重な投資家として知られるバフェット氏が中国株投資に乗り出したということは、大きな意味を持つと思います。 今後のバフェット氏の動向を注目していく必要があるでしょう。 <?な企業> @コングロマリット企業 コングロマリット企業とは互いにまったく関係のない業種を経営する企業のことです。 分かりやすくいえば、一言で何をやっているのか説明できない企業のことです。 小売業なら、卸売り会社から購入した商品を消費者に売る商売と言えますし、電力会社なら電力を家庭や工場向けに供給する企業と言えます。 コングロマリット会社は、例えるなら、デパートを経営しながら、鉄鋼業を行い、航空業界にも参入しているという訳の分からない会社のことです。 互いの事業はまったく関連していません。 コングロマリットは、1980年代のアメリカで流行した会社形態で、事業に関する知識がないまま、企業を買収した結果、非効率的な状態になりました。 不況期になると、買収資金の返済や業績悪化により、コングロマリット企業の業績は低迷しました。 中国にもいくつかコングロマリット企業があります。 一概に全部の会社が駄目だとはいいませんが、よく知らない分野の企業運営は難しいのではないでしょうか。 |
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