中国株の動向
<国有株の問題>
 中国の上場企業のほとんどは国有企業です。
ですから、上場企業の株の大部分は国が所有しています。
 国有株の問題点は、社会保障や公共事業費などを確保するため、国が株式の一部を株式市場に売却(一般投資家に販売)しようとしている点です。
日本で言うNTT株やJT株が一般投資家に売却されるようなものです。
しかし、国有株の量は市場で通常取引されている株の2倍程度にのぼり、その多くが放出されようとしています。
国有株の放出による需給関係の悪化により、株価暴落が懸念されています。
上場企業のほとんどが国有企業である中国株市場では市場に大きな影響を与える恐れがあります。
国有株が放出されるのは中国人専用であるA株市場であり、外国人向けのB株市場には直接関係はありません。
しかし、A株とB株は価格が連動しているため、影響がないとはいえません。



<A株、B株、H株の統合>
 配当金の権利など同じ価値を持つ株式は同じ株価であるのが一般的です。
しかし、同一の企業であってもA株、B株、H株は異なる株価になっています。
 中国人専用のA株市場の株価が外国人専用のB株、H株の何倍にもなっています。
中国ではギャンブルを禁止しているため、中国人は株式をギャンブルの対象にしています。
中国国内の個人投資家の数は5000万人以上で証券会社には人が詰め掛けて満員状態となっています。
 一方で、B株やH株が投資対象である外国の銀行、生命保険会社など機関投資家は、中国企業の情報開示に不安を持っているため、大量の資金を投資していません。
 このようなA株、B株、H株の市場参加者の違いが株価の格差をつくりだしています。
つまり、これらの株式が統合されれば、利益を得るチャンスがあります。
 2001年に、B株が中国人に限定的に解放されたとき、B株は何倍にも暴騰しました。
また、今後、香港市場・深セン市場・上海市場の統合も考えられているようです。



<ディスクロージャー問題>
 中国株ではまだ情報開示(ディスクロージャー)や法律の整備が進んでいません。
粉飾決算が多く、企業決算への不信感が強まり、株式市場全体が低迷する原因になりました。
 証券管理当局が企業決算に対する調査を厳しく行うようになりました。
また、制度面でも上海と深センに上場している全企業に四半期(3ヶ月)ごとの決算報告が義務づけられました。
企業決算の会計基準も中国独自の基準から、国際会計基準へ移行しています。
 優良企業の中には自発的に情報開示改善を行う企業も出てきています。
次第に企業の情報開示が改善されていくといわれています。



<中国預託証券(China Depository Recipts)>

 海外の企業が中国の本土に上場するための方法が、
中国預託証券(China Depository Recipts)、CDRです。
 これまで中国以外の国籍の企業は本土市場に直接上場できませんでした。
H株は香港に上場している中国企業(国籍は中国)なので本土市場にも上場できます。
レッドチップ企業は資本が中国ですが、籍は香港なので、本土市場には直接上場できません。
 CDRでは中国の銀行などが企業の株を預かり、預託証券を発行して、その証券を株式市場に上場させます。
 海外の企業が中国本土市場に直接上場できない理由は、人民元の海外流出を防ぐためです。
規制をかけることで、人民元の価値を保っています。
 CDRという方式により資本調達を管理することができます。
有力レッドチップがCDRを発行する予定です。


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