指標で株式を選ぶ
企業の情報の取り方にはいろいろありますが、会社四季報やインターネットで情報を得るのが主な手段です。
基本的な指標の意味を押さえておけば、企業の状態をよりよく知ることができます。


業績欄を見ることで、企業の経営状態を分析することができます。
例えば、ROE(株主資本利益率)、ROA(資産使用総利益率)、EPS(1株当たり利益)などです。


また、財務欄を見ることにより、企業の財務状況を分析することができます。
自己資本比率、利益剰余金、有利子負債、BPS(1株あたり純資産)、配当利回りなどです。


業績だけでなく、財務面を見ることも必要です。
なぜなら、財務状況が安定しているほど長期的に企業経営の安定性が高まるからです。
業績が良くても、財務面が不安定だど倒産リスクが高まります。


業績や財務状況が良くても、株価が割高か割安か判断しにくいことがあります。
そのために、株価が割高か割安か判断する指標には各種あります。
PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)などがあります。


この項目では、これらの投資指標について詳しく説明したいと思います。


ROE(株主資本利益率)
計算法
 税引き後利益÷株主資本×100


株主資本がどれだけ有効に使われているか示す指標です。
数値が大きいほど効率的に資本を利用していることを示し、効率よく儲けていることになります。


ROEが少なくとも市場金利より高くなければ、理論上は企業を解散し資本を株主に返し、株主は預金した方が有利になります。


10%以上が当たり前の米国企業に比べ、日本企業は大きく見劣りがします。
できるだけ、ROE10%以上の企業を選んだほうが投資成果が良いでしょう。
ROEが高いほど経営効率がよく、将来の収益性や成長性が期待できます。


ROEは、財務上の問題がある企業の場合異常な値が出る場合があります。
例えば、株主資本比率が異常に低い場合には、ROEが異常値を示す場合が多いです。毎年安定した数値であるか、財務上の問題がないか調べる必要があります。



ROA(使用総資産利益率)
企業の資産がどれだけ利益を生み出したか示す指標。
してどれだけ効率よく利益を上げたか示します。
税引き後利益を総資産で割り計算します。


使用総資本率は売上高利益率に使用総資本回転率を掛けたものです。
つまり、売上高利益率を高めるか、使用総資本回転率を高くすれば、ROAは上がります。


売上高利益率を上げるためには、値上げするかコストを削減して利益率を上げる必要があります。


使用資本回転率は売上高を使用総資本で割ったもので、一定期間内にどれだけ資本が回転したか示します。
回転率が高ければ、経営資源を有効活用していることになります。


高級品を大きな利幅で売るか、薄利多売で資本回転率を高めることでROAは上昇します。


ROAもROEと同様に異常値が出る場合がありますので、よく調べる必要があります。
財務状況が悪化している企業の場合は、特に異常値が出やすくなっています。



EPS(1株あたり利益)
計算式
税引き後の利益÷発行済み株数


企業の収益力を判断する際の指標。
企業の利益水準が毎年どの程度変化しているか判断する指標。
EPSが高いほど、今後の成長が期待できます。
利益から見た1株あたりの価値を表します。


単年度だけでなく、過去数年の平均上昇率で判断するのがよいでしょう。



BPS(1株あたり純資産)
計算式
 純資産(総資産ー負債)÷発行済み株式数


BPSは会社がどれだけ純資産を持っているか示します。
企業が解散した場合の1株あたりの価値を示し、企業の底値を判断する材料になります。


企業の安定性を分析する指標で、一般的に高いほど安定しているといえます。



PER(株価収益率)
計算式
 株価÷1株当たり利益(EPS)


 一株あたり利益の何倍まで株が買われているか示します。
ずっと利益が同額だとすると、何年分先の利益分が株価として妥当か評価されます。
一般にはPERが大きいほど株式が買われていることを示します。


バブル期の東証一部ではPERが平均で70倍まで上昇したことがあります。
ただし、PERが割安であるということを示す絶対的な数値はありません。
20倍でも割高だと考えられる場合もあれば、50倍でも割安だと考えられる場合もあります。PERが割安な水準であるかを判断するには市況を考慮する必要があります。


PERはバリュー株投資を行う上で大切な数値です。
PERが低いほど株価が割安であることを示すからです。
ただし、あまりにも低すぎるPER(1倍以下の企業もあります)には、財務的な問題があるかもしれません。ですから、その企業の財務体質などを調べた上で本当に割安かどうか判断するべきです。



PBR(株価純資産倍率)
計算式
 株価÷1株当たり純資産(BPS)


株価が一株あたり株主資本の何倍か示す指標。
数値が高いほど株式が買われていることを示します。
優良企業の場合は、PBR1倍前後で株価が下げ止まる傾向があります。
PBR1倍では、企業が解散して資産を分配したと想定すると、株価と帳簿上の一株あたり純資産が同じになるからです。


理論的には企業のPBRは1倍以上になりますが、現実にはPBR1倍を下回る企業がたくさん存在します。
その要因としてはいくつか挙げられます。
@帳簿上の資産額が時価で評価されていない
A資産額が正確だとしても、実際にはその価格では売却できない。
ですから、単純にPBRが低い企業が投資対象として良いとはいえません。
なぜPBRが低いのか分析する必要があります。


反対にPBRがあまりにも高い企業は値下がりリスクが大きくなります。
株主の期待が企業の実態に比べ異常に大きいため、本来の企業価値以上に株式が
買われているからです。
投資家の期待に反する業績だと暴落しやすい体質だといえます。



株主資本比率
株主資本比率とは、企業が事業に使っている総資産のうち、株主が出資した資本や資本金をもとにその後の事業活動により生み出された利益(内部留保)が占める比率をいいます。
分かりやすくいうと、業績が悪くなったときに資金に対して費用を払わなくてもいい部分のことです。
銀行からお金を借りる(他人資本)の場合には、業績が悪くても利息を払わなくてはいけません。


株主資本比率が低く、借入金の割合が大きいと、一般的に長期的な財務安定性が低くなります。
目安としては株主資本比率が30%以上あれば、比較的安定しているとされます。 


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